ベルリナーレ第4弾
2010年 02月 17日
ベルリナーレのタレントキャンパスに参加してきました。
映画だけでなく色々なイベントも映画祭中に開催されています。
会場はHallesches TorにあるHau劇場。
一つ目はpencils,pupetts and pixelsというクレイや紙などの素材を使った
アニメーターの方々のトークセッション。
トークメンバーは、ロンドンから「ウォレスとグルミット」を作っているアードマン・ アニメーションズのディレクターMerlin Crossingham、エストニアのアニメーターMait Laas、そしてノルウェーのアニメーターAnita Killiの3名。
それぞれの作品の説明から始まり、アニメーターにはどんなことが求められるか、大切なことはなにか、どんな体制で作っているのか、などのトークが展開。
どれも興味深い話だった。
十数分のアニメの制作に6年とか、毎日3秒制作とか気の遠くなる作業。
アニメーターは監督であり、そして同時にいい役者でなくてはならない
というのがおもしろいなと思った。
今回特にノルウェーのAnita Killiの作品が
独特の世界観があって素敵だった。是非彼女の作品を見てみたいと思う。
紙やスパンコールなどの素材でアニメーションを作っているのだけど
びっくりするほど細かい動きが紙などで作られていて
キャラクターの髪がしなやかに動いたり、指の微妙な動きなど
うまく言葉では表現ができないけど
それはそれは素晴らしかった。
ベルリナーレ公式サイトより。
パネルディスカッションの後は作品の主役キャラクターたちを見せてもらったり
直接質問をしたりできるようになっていました。
二つ目は山田洋次監督のトークセッション。
キュレイターの進行役(および通訳)を迎えて、監督の作品の紹介や傾向であったり
影響を受けてたことや他の監督との違いなどのお話がありました。
同じ松竹の先輩だった小津安二郎監督や東宝(当時)の黒澤明監督とのエピソードや
彼らの作品についてもふれていました。
寅さんはだめな兄と賢く綺麗な妹のお話。
今回の「おとうと」は逆にだめな弟と賢い姉のお話。
どんなお話なのか今から楽しみです。
市川 崑監督の「おとうと」からインスピレーションを得て作られた映画らしい。
山田監督の語り口が穏やかで終始気持ちよく、お話もおもしろかった。
今回、「おとうと」の他に、監督が立命館大学の学生と共同制作をした作品
「Tyoto Stroy」もベルリン映画祭に参加していて、
立命館大学の学生たちもこのセッションに参加していました。
山田洋次監督もクレイクリエイターたちも
人間を観察し、よく見て学ぶ、そして
自分が好きな作品をとことん見て研究することが大切と
全く同じことを言っていたのが印象的。
人間をテーマに人間を感動させる作品を制作することの核は
どの分野も同じなんだなと思う。
こういったワークショップみたいなものがあると
作品が身近に感じられて嬉しい。