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ベルリンでの毎日で体験したこと、気づいたこと、感じたこと。生活のきろく。


by milchschokolade
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ベルリナーレ第4弾

ベルリナーレ第4弾_f0200015_4511881.jpg

ベルリナーレのタレントキャンパスに参加してきました。
映画だけでなく色々なイベントも映画祭中に開催されています。
会場はHallesches TorにあるHau劇場。

一つ目はpencils,pupetts and pixelsというクレイや紙などの素材を使った
アニメーターの方々のトークセッション。
ベルリナーレ第4弾_f0200015_584535.jpg

トークメンバーは、ロンドンから「ウォレスとグルミット」を作っているアードマン・ アニメーションズのディレクターMerlin Crossingham、エストニアのアニメーターMait Laas、そしてノルウェーのアニメーターAnita Killiの3名。

それぞれの作品の説明から始まり、アニメーターにはどんなことが求められるか、大切なことはなにか、どんな体制で作っているのか、などのトークが展開。
どれも興味深い話だった。
十数分のアニメの制作に6年とか、毎日3秒制作とか気の遠くなる作業。
アニメーターは監督であり、そして同時にいい役者でなくてはならない
というのがおもしろいなと思った。

今回特にノルウェーのAnita Killiの作品が
独特の世界観があって素敵だった。是非彼女の作品を見てみたいと思う。
紙やスパンコールなどの素材でアニメーションを作っているのだけど
びっくりするほど細かい動きが紙などで作られていて
キャラクターの髪がしなやかに動いたり、指の微妙な動きなど
うまく言葉では表現ができないけど
それはそれは素晴らしかった。

ベルリナーレ第4弾_f0200015_5104338.jpg
ベルリナーレ公式サイトより。






パネルディスカッションの後は作品の主役キャラクターたちを見せてもらったり
直接質問をしたりできるようになっていました。
ベルリナーレ第4弾_f0200015_5112062.jpg



二つ目は山田洋次監督のトークセッション。
ベルリナーレ第4弾_f0200015_5124121.jpg

キュレイターの進行役(および通訳)を迎えて、監督の作品の紹介や傾向であったり
影響を受けてたことや他の監督との違いなどのお話がありました。
同じ松竹の先輩だった小津安二郎監督や東宝(当時)の黒澤明監督とのエピソードや
彼らの作品についてもふれていました。

寅さんはだめな兄と賢く綺麗な妹のお話。
今回の「おとうと」は逆にだめな弟と賢い姉のお話。
どんなお話なのか今から楽しみです。

市川 崑監督の「おとうと」からインスピレーションを得て作られた映画らしい。

山田監督の語り口が穏やかで終始気持ちよく、お話もおもしろかった。
今回、「おとうと」の他に、監督が立命館大学の学生と共同制作をした作品
「Tyoto Stroy」もベルリン映画祭に参加していて、
立命館大学の学生たちもこのセッションに参加していました。

山田洋次監督もクレイクリエイターたちも
人間を観察し、よく見て学ぶ、そして
自分が好きな作品をとことん見て研究することが大切と
全く同じことを言っていたのが印象的。
人間をテーマに人間を感動させる作品を制作することの核は
どの分野も同じなんだなと思う。

こういったワークショップみたいなものがあると
作品が身近に感じられて嬉しい。
by milchschokolade | 2010-02-17 02:46 | イベント